Sunday, April 30, 2000

最近買った絵本でとても気に入ったのがあるので、皆さんに紹介します;

『ひとりぼっちのパトシアン』(パトリス・ジュアン著、吉本ばなな解説 幻冬舎)

犬のパトシアンは、森の岩、木、花、カタツムリの友達から沢山の愛情を受けて育ちました。ある日、パトシアンは「人間」という存在を知り、人間とはどんなものなのか自分の目で確かめようと、仲間が引き止めるのをよそに、人間が住んでいる都会へと旅立ちました。しかし、そこでは暴力や悲しみがいっぱい、毎日ぎゅうぎゅう詰めの電車の「痛勤地獄」、なんて暮らしなんだろう、どうして何かを変えようとしないのか、どうすればもっとよくなるんだろう、とパトシアンは考えました。
パトシアンはふと、しあわせだったころの暮らしを思い出しました。そうしたら、心の中であたたかくやさしい気持ちがよみがえってきました。そうすると、毎日の単調な暮らしのなかにも、例えばお部屋に花を飾ったり、お料理をしたりで、幸せな楽園がつくれることに気づいたのです。
今の私たちの世の中は、お金がないと生活が楽しめないようになってます。
生活していく上でお金は絶対に必要なので、ここで敢えてお金のことをどうこうはいいません。時々思いっきり奮発して豪華なホテルに泊まって、そこでおいしい食事をするのも楽しいことです。けれども、それはそんなに頻繁にできることではありません。
毎日のワンパターンな生活を如何に楽しくするか、その楽しさが分かった時に本当にしあわせになれるんだな、とこの絵本は教えてくれます。

“Things I’ve Had To Learn Over and Over and Over
(Plus a Few Minor Discoveries)”
(Charles M. Schulz, An Owl Book)

手っ取り早くいうと、人生の教訓が書いてある本(というよりは絵本)です。
そういうと胡散臭いけど、大好きなスヌーピーと一緒なので、説教臭さを感じません。
私が気に入ったいくつかのフレーズを紹介します;
“The early bird need not pursue the worm when he can order pizza at midnight.”
“You can’t discuss something with someone whose arguments are too narrow.”
“If your life is going by too fast, maybe someone pushed the fast-forward button.”
“Don’t worry about the world coming to an end today. It’s already tomorrow in Australia.”
“Decorate your home. It gives the illusion that your life is more interesting than it really is.”
“The pen may be mightier than the sword, but not a sister’s mouth.”
アメリカと日本の文化の違いもあるので、いくつかのフレーズは、意味がわからないのもあります(多分アメリカ人やアメリカの文化がわかる人にはきっと大爆笑なんだろうな…)。今あげた中で私が一番気に入っているのは4番目。直訳すると、「世界が今日で終わると心配するな。オーストラリアではとっくに明日になっているのだから」
私がくよくよしていても、世界はまわっているのね、と思いました。
スヌーピーは私にとって、かわいい一番のお気に入りキャラクターだけど、同時に人生を少しちがう角度で見ただけで、随分しあわせになれることを教えてくれる「人生の師匠(ちょっと大袈裟だけど)」みたいな存在です。